D-Spls! 「D」さん題あり

ディー・スペシャルズの仕事(&遊び)の記録、宣伝等などオフィシャルお気楽ブログです(笑)。

大まかな分類

 

 

どうも。実は自分は汗っかきなんだと最近気付いた「Ⅾ」です。

 

 

お客さまとお話ししていると、「後期型は判るけど、中期型のスバル360っていつごろからの車両を指すの?」と聞かれることがあります。

 

これは人によって結構見解が違うかもしれませんが、当店なりの大まかな分類では、初期型~前期型~中期型~後期型(または最終型)としてますね。

今回はそんなお話です。

 

 

初期型(S33~S37年)はいわゆる「でめきん」。ヘッドライトリムがアルミで、非力なエンジン故とことん軽量化目指して設計されているので全体的に質素なタイプ。ブレーキランプが一番小さいです。ちなみにテールランプはナンバー上の赤い四角。

 

 

 

前期型(S37~S39年)はオイルと混ぜて給油する混合ガソリンタイプを指してます。(この辺り認識が分かれるところかもしれません。※顔の写真は中期型)このころになるとエンジン馬力が出せるようになるので豪華路線に向かいます。

顔は9本ヒゲの中期型とほぼ同じ。お尻はでめきんの流れで横スリットのエンジンフードですがブレーキランプが少し大きくなります。

 

 

 

中期型(S39~S43年)は顔は前期とだいたい同じ、ボンネットのヒゲが9本のタイプと11本のタイプがあり。このころ以降の車両の現存数が一番多いです。写真は後の11本タイプ。スバル360と聞くとこの楕円のテールランプを思い浮かべる方が多いかもしれませんね。(写真にありませんが給油口が飛び出しているデベソの分離給油初期タイプは中期の前期と呼べるかもしれません)

 

 

 

後期型(S43~S45年)というのはボンネットのヒゲスリットがなくなり四角いエンブレムとライトカバー内が黒く塗られた顔と、最も大きなテールランプのモデル。内装も黒基調となりスポーティ度が上がっています。室内防音もしっかり効いていて進化してますな。それまで主流だった3速ミッションから全車4速(除くオートクラッチ車)になったのもこれから。ヤングSとSSもこの型のみとなります。

 

 

ざっくりと外装を中心に説明してみましたがいかがでしたか? 実際はもっとかなりめちゃめちゃいろいろ小変更されていますので、そんなところを細かく突き詰めて調べるのも面白いですね。

 

好きな方はいろんなモデルをコレクションしたくなります。でも、好調なスバル360はどれでも楽しいんですよ。

 

 

ご意見ご質問がある方は掲示板のほうへお願いしま~す (^_^)/

 

 

 

ボディ修理

 

 

どうも。最近ブヨに刺されるのがトラウマになりかかっている「Ⅾ」です。

 

 

バッテリ下~トーションバーブラケット付け根がグサグサに腐ってしまっているスバル360の修理を行いました。

 

旧車全般に言えることですが、バッテリから出る希硫酸ガスがボディを腐食させるんですよね。 あまり乗らないクルマは特に滞留するんですな。

 

 

いや~酷かった‥足周りの固定位置が少し変わってしまっていました。(^_^;)

 

ボディパネルを外すと塗装が割れる恐れがありますので、分解は必要最低限に。

 

 

リフトの高さを細かく調整しながら、アクロバティックな体勢で垂れるスパッタにおののきながら、溶接していきます。

サビサビパネルにパッチを当てるので難易度が高い!

 

 

溶接が終わったらボディ色~過去にされた補修の色~シャシブラックなどを重ねてウェザリング塗装。苦労の跡を消すような自然な仕上がりを目指します。

ま、バッテリを載せてしまいますのでわからなくなりますが。

 

 

これで安心してお乗りになられることができますね。

 

 

 

雑誌紹介 Garage Life

 

 

本日発売のGarage Life 2022年7月号 Vol.92 「SHOP & GARAGE」に当店工場が紹介されました。 6ページに渡る記事です!

 

憧れの Garage Life誌 に掲載してもらえるなんて感激!

 

 

揺るぎないガレージングのバイブル、とても参考になります。

 

みなさま、ぜひご購入の上ご覧くださいませ。

定価2,500円(税込み)ですよ!

 

 

 

クーリングファン

 

 

どうも。齢51歳にしてよりに完璧な箸づかいを目指して日々訓練している「D」です。

 

 

今回は「街中をゆっくり走行中に音がしてエンジンが止まった」というスバル360の修理を受けました。 一度動いたけど再びクランクがロックして回らない。

 

 

当店製のアルミオイルタンクが着いているし、1年前の車検時にオイルポンプのオーバーホールも施したばかりでしたので、オイルが原因のトラブルではないだろうと踏んで確認していたんですが、ぐりぐりとプーリーを動かしていたらファンケースから音が‥。

ボディのサイドスリットからファンを覗くと‥あっ!砕けてる!! 早まってエンジンを開けなくてよかった‥ (^_^;)

 

 

見たことがないような悲惨な状態に‥💦

走行中にファンが割れて中で噛みこんでいたのでした。

よくあるダンパーゴムの剥離が原因ではありません。リジットマウントのボスだったし。

 

 

中古部品をストックから見繕い交換して作業完了です。

走行テストをしてみましたが、クランクの捻じれは大丈夫そう。

 

 

クラックが入っていたと思われる破断面が黒くなっていたのでしばらく前からヒビ割れてたんですな。

 

 

極めてレアケース。こんなこともあるんですね。

 

 

 

SSキャブ用インマニ

 

 

どうも。昔は夏が好きだったのですが、最近はやっぱ冬のがいいと思う歳になってしまった‥「D」です。

 

 

ご依頼でスバル360ヤングSにSSのソレックスツインキャブを装着するためのインテークマニホールドを製作いたしました。

 

 

 

取り付けナットを収めるために溶接ビードを少しだけエンドミルで削ったり、重いキャブを吊るのでポート内も溶接・再切削して強度を上げたりと、地味に手間をかけている自信作です。

 

装着にはシュラウドの加工が必要になる可能性あります。

 

 

お客さま、事故やお怪我のないようお気をつけて、頑張ってヤングSSキャブを装着なさってくださいね!

 

 

 

 

雑誌紹介 ガレージのある家

 

 

本日発売のガレージのある vol.48 に当店が紹介されました。(居宅のログハウスがメインですが‥。)

 

客観的に見るとウチの家って暗いな~ (^_^;)

 

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ご興味がある方はぜひご覧くださいませ。

定価2,500円(税込み)ですよ。

 

 

 

 

点火時期とオルタネータ

 

 

どうも。日中は暑いくらいになってきたけど、夕方寒くなるのが怖いのでパッチを穿き続けている「Ⅾ」です。

 

あ‥、前記事のトランスミッションはバッチリでした。コクコク入るようになりました (^_^) ミッションのインサートキーで社外品?と言っていたものについて‥「林さん何言ってんの!あれはのちに部番統合されたレオーネのインサートキーだべさ!」と師匠に怒られました‥💦 「ピアノ線スプリングはどうかわかんないけど‥」だそうです。 ご参考までに~。

 

 

さて、今回のネタは点火時期。永く生産してくれていたメーカー純正のディストリビュータが廃番になりましたね。途端にヤフオクで高騰しているもよう。 当店のような商売は今後も続けられるのでしょうかね (^_^;)

 

たまに「点火時期調整をしてもすぐに狂ってしまうんだけど、どうして?」と聞かれることがあります。

ちゃんとポイント清掃し、ギャップを合わせてから点火時期調整されていますか? ただデスビを回してるだけじゃないですか?

 

毎回火花が飛ぶポイントの接点には、小さな溶接痕のようなものが堆積していきます。それにより当初合っていたギャップが少しずつ狭くなっていきます。点火時期は遅れる方向へずれていきますので、エンジン出力の低下を招きます。

 

ポイントを外して接点をサンダーなどで丁寧に均してやりますと、元のネジ痕にビスを締めてやるだけで点火時期が出たりします。(ヤスリやサンドペーパーでは完璧に除去することはできません)

 

最近発注していないのですが、ポイントは純正部品でまだ出るのですかね? 出なくなるのも時間の問題でしょう。 古いポイントもカム軸に当たるベークライトのヒールが減っていなければ、バネが折れるくらい錆びていなければ、ポイントを均してやれば使えます。古いものも捨てずにしまっておきましょう。

 

整備でデスビを抜くときは、点火時期目盛とデスビの角度、ローターの向きが再現できるよう写真を撮ってからですよ。その3点が揃わないと火花が飛ばなくなります。

 

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機械いじりが好きな方にとって、スバル360は何か改造してみたくなる素材でもありますよね。 オルタネータ化もそのひとつでしょうか。

 

でも当店はことあるごとにオルタネータ化はやめてくださいと話しています。

オルタを入れたい方は発電系をもっと信頼できるものに置き換えたいということだと思いますが、発電能力が高いということは回転抵抗が大きいのです。オルタのスバルはヘッドライトをつけるとエンジン回転数が低くなりますよね。

 

スバルのクランク~プーリーシャフトはクラッチ整備の観点から分割できるようオスメスのカップリングになっています。 長年の使用で大抵のスバル360はここにガタが出ています。その外にデスビがいますので、ガタはエンジンの回転と点火時期がぶれる原因になります。

回転抵抗が大きいオルタネータはこのオスメスカップリングのガタをさらに誘発します。そしてときにそれはエンジンブローを引き起こしかねないのです。

古いクルマは古いクルマなりにバランスが取れています。そこに強力な部品を入れると他の個所が音を上げてしまうこともあるのです。

 

もちろんそのあたりを理解したうえで、万一に対処できるスキルをお持ちのオーナーさんの選択でしたらよいでしょう。

よくわからないけどなんとなくオルタネータ化したいというのはちょっと考えたほうが良いかもしれませんね。

 

 

私個人の考えとしましては、スバル360はオルタネータ化するよりも、良いバッテリー充電器でまめに充電してあげるほうがクルマにやさしく信頼できるメンテナンスだと思うのです。