おっす、おらイケさん。全国に緊急事態宣言が出てしまったね。不要不急の外出はしちゃいけないぞ。 そんな最中だけどみんな元気? え、お前の顔色のがおかしいだろって?そんなことはほっといてほしいんだ。
今日はスバル360のブレーキ周りのねじの規格の話。
みんなは自分のクルマのねじの規格は把握してるかい? ISOとか旧JISとかってアレさ。旧JISはいわゆるユニファイのインチねじがベース、ISOは国際規格のミリねじだ。両者は互換性がないから注意が必要。
ホームセンターで売ってるのは基本的にISOの普通ねじだね。クルマにはISOの細目(ピッチが細い)という規格のねじを使われることが多い。
基本的にスバル360のねじ規格は初期のでめきんから昭和43年7月の41型まで旧JISねじ、昭和43年8月からの後期52型~ラストモデルの54改型がISOねじとなっている。いわゆる後期型にはISOのステッカーが貼付されているよね。
でもこのISOのステッカーが罠なんだ!
スバル360は車台番号 282260 からが52型のいわゆる後期型でISOねじなんだけど、実はその 282260 から 299255 くらいまでのモデルはブレーキのみ旧JISねじを採用しているんだ!!
これがとても曲者で、そんなこと知っちゃいない町工場のメカさんが、過去のブレーキメンテナンスでたまたま手に入った非適合のブレーキシリンダを無理やり着けちゃっていることが少なくない‥。
え?ねじが違うんだからそんなの嵌まらないだろうって? 実は旧JISねじはISOのシリンダーにねじ込むことができるのさ。
写真はISOマスターシリンダにISOねじと旧JISねじを手でねじ込んでみたところ。10ミリレンチを使うのがISOねじ、11ミリレンチを使うのが旧JISだ。
このように嵌まるには嵌まるけど、本来適合しないのでねじが妙に固かったりするし、ねじ山の破壊につながるんだよ。漏れてなかった場合でも、一度ばらして二度目に組むと漏れたりねじ切れる可能性も少なくないんだ。大変危険なんだよ。
でも実際問題ブレーキシリンダの入手が大変困難な今の時代、はいそうですかと今の間違っているシリンダを交換することは難しいよね‥。だから、基本的には漏れてないマスターシリンダはなるべく外さない、ホイールシリンダは外さずに中を磨くのがセオリーだよ。
ちなみにリアのホイールシリンダのみ、ユニオンボルトとホイールシリンダのペアでの交換ならばISO⇔旧JISの互換性がある。ブレーキホースの穴にボルトを通すからね。(リーディングトレーリングタイプのフロントも同様だけど、ISOモデルがないのでここでは割愛)
ブレーキのねじは、各シリンダ、ブレーキホース、ブレーキパイプ、パイプのジョイントと意外に多い。
みんな注意してね。一度スパナを当てて自分のクルマのブレーキシリンダに刺さっているパイプのフレアナットのレンチサイズと、シリンダの刻印(ISOのみ。旧JISは記載なし)を確認してみるといいかもよ。
ちなみにキャブレータもその車台番号のあたりでISOと旧JISモデルが切り替わっているようなので、ねじやジェットだけの移植をする際には細心の注意を払ってね。できれば丸ごと交換が理想的だ。
え?そもそも自分のスバル360の型式が判らない?
「スバル360年譜」で検索してみるといいよ。スバルさんのHPで詳しくわかるから。
あ、「Ⅾ」からの伝言‥。「旧JISのマスターシリンダ新品が余っているお方、よかったら当方のISO新品と交換してください!」だそうな。あいつ甘えてんな~
じゃあみんな、もうすぐゴールデンウイークだけど引き続き3密を避けて、ひとりメンテンスに精を出してね!アディオス!