スバル360は普通の自動車と違って燃料ポンプを持ちません。(カスタムを除く)オートバイのように重力でガソリンを落下させてキャブレータに供給しています。(ヤングSSのツインキャブでさえポンプが無いんですから、大したもんです‥笑 )
中期型までは室内の開閉レバーでコックを作動させていましたが、後期型のみ負圧式の自動燃料コック方式になります。
今回はその後期型負圧式燃料コック調整方法をお話ししますね。
燃料コックの理屈ですが、エンジンを掛けると発生するインテークマニホールド内の負圧を利用し、燃料コックの円盤(ダイヤフラムケース)に着いているゴムバルブ(橙↑)を引きます。 そうすると停止時に塞がれているコックのガソリン通路(青↑)が解放され、ガソリンが流れます。
このゴムバルブが重要でして、ガソリン漏れ止めのパッキンの役目と軽い力で作動するバルブの役目をします。大変薄い部分のある特殊なゴム部品です。
(写真のゴムバルブは円柱部で破れています)
純正部品(& S自工さん製のフッ素ゴムバルブ)などではさほどシビアではなかったのですが、昨今流通しているゴムバルブはちょっと特性が把握しづらく、たびたびメンテを行う必要がある場合があります。
相手がガソリンですから、薄いゴム部品は伸びたり縮んだり、暑い時期や寒い時期で性質が変わるのかもしれませんね。
その調整方法です。
キャブの黄色矢印部の燃料ホースを外します。 エンジン停止してるのに外したホースからガソリンが出続けるようであれば調整不良で、オーバーフローを引き起こします。(キャブのおもらしですね。)
エンジンルームの右奥の天井に着いている、燃料コックの⊕ねじ(赤↓)を緩め、円盤をすこ~し押し込んでみてください。(緑↑)の隙間が小さくなる方へ。押し込みすぎはダメ、0.何ミリの感じですね。出続けているガソリンがギリギリ止まればOKです。(ホース内の残留ガソリンと少量で出続けるガソリンの見極めがポイント)
円盤を押し込みすぎるとエンジン運転時にも燃料供給量が少なくなってしまうトラブルが出ます。 逆に(緑↑)隙間が無いところまで押し込んでもガソリンが出続ける場合はゴムバルブの寿命か、コック本体の金属に傷が入っています。
本当ならばインマニの負圧ホースを外して口で吸い、ホース満量のガソリンが出るか確認するのがセオリーなのですが、今まで普通に走っていたおクルマでしたら、走ってみて確認でよいでしょう。
たっくん、お試しあれ‥