手動運転車
スバル360オートクラッチ車の整備をしています。手動運転車です。 前からやってる車両とは別で修理のご依頼を受けました。
症状としてはクラッチが切れないというもの。
通常普通のマニュアルミッションは何もしない状態ではクラッチがつながっているのですが、オートクラッチ車はクラッチが離れています。感覚的にスクーターやスーパーカブに近いかな。
これが繋がりっぱなしでした。細かい修理方法は内緒ですが、何とか修理完了。電気系でなくてよかった~ (^_^)
それにしてもこのおクルマすごいんですよ。
足がご不自由なオーナーさんのお祖父様が、手だけで運転できるように当時新車でオーダーされたのだそう。多分メーカーでもディーラーでもなく架装会社が改造されたのでしょう、しっかり考えられていて通常のオートクラッチ車のように足でのアクセル・ブレーキ操作もできます。
今となってはとても貴重なおクルマですよね。
ほかの個所もしっかり診させていただきますので、お客さまお楽しみにお待ちくださいませ!
Stay Ohkura
緊急事態宣言中のゴールデンウィーク、みなさまいかがお過ごしでしたでしょうか? 今日明日働けばまた土日ですから、まだ連休気分の方も多いのでしょう。 でも休みだけど自粛自粛で、何とも中途半端なリフレッシュ感のない毎日だった印象がありますな。
そんな中ワタクシはステイホーム・ステイファクトリー・ステイオークラでした。
オークラ‥放置してたスバル360オートクラッチのオーバーホールの続きです。 「休み中にエンジン載せてブレーキも完了させて、連休明け車検に行っちゃうか~!?」っと意気込んでいましたが‥
掃除して‥洗って‥
計測して‥消耗品交換して‥
全然思うように進まね~‥。クランクすら組めず。あかん感じ。
通りかかる人たちから、休みなしで仕事?と聞かれ続けましたが、いえ‥休み中です。お客さまの決まっていないこのクルマのメンテは仕事のような趣味のような曖昧なものでして。
ホントはこの連休はレーシングを触りたかったけど、バラバラのこいつを放置し続けられないので‥。
よしもう10日までこのまま触り続けちゃうぞ!
リザーバタンク他
新型コロナウイルス肺炎の脅威が止まりませんね。連日の医療従事者さんやお年寄りのデイサービスやホームなどでのクラウド感染報道は胸が痛みます‥。不可抗力ですもんね。若者の宴会クラウド感染とは違います。
我々もしっかりと気を引き締めていきましょう!
今回は久しぶりに大物ワンオフのご依頼を受けました。
セリカLBのラジエータリザーバタンクです。「漏れてきたから何とかして」と言われまして、ここは得意のアルミで製作。
キャップデザインは当店のK111用アルミオイルタンクに似てますが、溝の数を多めにしています (^_^)
完成品を見たお客さまが一言「こりゃあ最高だな!」
ありがとうございます。そのお言葉が何よりの励みになります!
お次はモトコンポのガソリンタンク、お客さまが開腹清掃したものの溶接組み立て。
バイクでもこういうタンクなら開腹できますね。
次は福岡のお客さまのこちらです。
材料で何かわかりますかね? スバル360用のワンオフステンレスマフラーです。現在鋭意製作中です。お客さま‥もう少しお待ちくださいませ。
あ、テールパイプは純正同様の太さとワンサイズ太目、どちらがご希望ですか~?
それにしても忙しいです‥。お客さまみんな隠れて見ていて、よし今だ!一斉に行けって来られてるわけじゃないですよね‥? (^_^;)
ではみなさま‥ゴールデンウィークに入っても、くれぐれも気を抜くことのないよう、コロナを封じ込めるべく頑張りましょう!
ISOの罠
おっす、おらイケさん。全国に緊急事態宣言が出てしまったね。不要不急の外出はしちゃいけないぞ。 そんな最中だけどみんな元気? え、お前の顔色のがおかしいだろって?そんなことはほっといてほしいんだ。
今日はスバル360のブレーキ周りのねじの規格の話。
みんなは自分のクルマのねじの規格は把握してるかい? ISOとか旧JISとかってアレさ。旧JISはいわゆるユニファイのインチねじがベース、ISOは国際規格のミリねじだ。両者は互換性がないから注意が必要。
ホームセンターで売ってるのは基本的にISOの普通ねじだね。クルマにはISOの細目(ピッチが細い)という規格のねじを使われることが多い。
基本的にスバル360のねじ規格は初期のでめきんから昭和43年7月の41型まで旧JISねじ、昭和43年8月からの後期52型~ラストモデルの54改型がISOねじとなっている。いわゆる後期型にはISOのステッカーが貼付されているよね。
でもこのISOのステッカーが罠なんだ!
スバル360は車台番号 282260 からが52型のいわゆる後期型でISOねじなんだけど、実はその 282260 から 299255 くらいまでのモデルはブレーキのみ旧JISねじを採用しているんだ!!
これがとても曲者で、そんなこと知っちゃいない町工場のメカさんが、過去のブレーキメンテナンスでたまたま手に入った非適合のブレーキシリンダを無理やり着けちゃっていることが少なくない‥。
え?ねじが違うんだからそんなの嵌まらないだろうって? 実は旧JISねじはISOのシリンダーにねじ込むことができるのさ。
写真はISOマスターシリンダにISOねじと旧JISねじを手でねじ込んでみたところ。10ミリレンチを使うのがISOねじ、11ミリレンチを使うのが旧JISだ。
このように嵌まるには嵌まるけど、本来適合しないのでねじが妙に固かったりするし、ねじ山の破壊につながるんだよ。漏れてなかった場合でも、一度ばらして二度目に組むと漏れたりねじ切れる可能性も少なくないんだ。大変危険なんだよ。
でも実際問題ブレーキシリンダの入手が大変困難な今の時代、はいそうですかと今の間違っているシリンダを交換することは難しいよね‥。だから、基本的には漏れてないマスターシリンダはなるべく外さない、ホイールシリンダは外さずに中を磨くのがセオリーだよ。
ちなみにリアのホイールシリンダのみ、ユニオンボルトとホイールシリンダのペアでの交換ならばISO⇔旧JISの互換性がある。ブレーキホースの穴にボルトを通すからね。(リーディングトレーリングタイプのフロントも同様だけど、ISOモデルがないのでここでは割愛)
ブレーキのねじは、各シリンダ、ブレーキホース、ブレーキパイプ、パイプのジョイントと意外に多い。
みんな注意してね。一度スパナを当てて自分のクルマのブレーキシリンダに刺さっているパイプのフレアナットのレンチサイズと、シリンダの刻印(ISOのみ。旧JISは記載なし)を確認してみるといいかもよ。
ちなみにキャブレータもその車台番号のあたりでISOと旧JISモデルが切り替わっているようなので、ねじやジェットだけの移植をする際には細心の注意を払ってね。できれば丸ごと交換が理想的だ。
え?そもそも自分のスバル360の型式が判らない?
「スバル360年譜」で検索してみるといいよ。スバルさんのHPで詳しくわかるから。
あ、「Ⅾ」からの伝言‥。「旧JISのマスターシリンダ新品が余っているお方、よかったら当方のISO新品と交換してください!」だそうな。あいつ甘えてんな~
じゃあみんな、もうすぐゴールデンウイークだけど引き続き3密を避けて、ひとりメンテンスに精を出してね!アディオス!