デフシム
スバル360のデフから発するコトコト音、気にされている方もきっといるでしょう。 そう、あの車輪の回転に比例して早くなる、エンジンが温まると出てくる、アレです。
デフの構造上どうしようもないスバル360の持病の一つ。ユニバーサルジョイントベアリングとヨークの間に挟まっているシムワッシャの摩耗が原因です。
音が出ていても基本的に不具合はありませんが、まあ‥冷間時から比較的はっきり音がする場合は直したほうがいいでしょうね。ほかの部品の緩みなどにつながる可能性も否めません。
(ほかにコトコト音の原因でドライブシャフトのボルトの緩みもありますから、それも確認して下さい。ワイヤリングに異常がなくても、実は緩んでいるケースがあります。)
デフのオーバーホールのときによく聞かれるのが、「シムワッシャってもう手に入らないでしょ?どうしてる?」ですが‥
実は摩耗しているシムワッシャもひっくり返せば新品の厚みとして使えます!
(勘のいい人なら見た瞬間に判ると思いますので自慢にはなりませんが‥ )
ヨーク側とスパイダー側の接触面がちょうど互い違いになっています。 だからひっくり返せば摩耗のアタリがリセットされるんです。 軽ーくオイルストーンでバリだけ落としましょう。
べベル側も同様です。ただ、こちらは内径に面取りがされているので、同様に砥石リューターで削っておきます。
これでかなり良くなります。
まあ‥ヨーク側も摩耗していることもあるので100%完治はしないかもしれません。
その場合はモノタロウさんのSK焼入れ鋼で寸法指定で作ってもらいましょう(先日知った )。
1.6ミリしか指定できないのでオイルストーンでしこたま擦らないと使えないかもしれませんが‥。
当店のスバル360には自作の焼入れ炭素鋼S45C材で作ったシムを入れてるけど、あんまり乗らないのでテストが終わりませ~ん‥。
ステンレス
少し前から、軽自動車検査協会で名義変更をした際にナンバープレートとともにくれる固定用M6ねじがステンレス製というケースが増えてきました。
おいおい‥大丈夫!? ちょっと不安になります。
錆びるんです、鉄製のクルマ側が!!
ステンレス 鉄 電食(電蝕)で検索されると詳しく解説されていますので細かいことは省きますが、ステンレスと鉄はくっつけると電位差の違いで弱い鉄のほうのイオン化が促進され酸化しやすくなります。
最近のクルマやバイクではまずあり得ない、ステンレスねじや部品の鉄部品との結合ですが(一部マフラー関係で例外あり)、昔はまだその認識が乏しく、スバル360にも多くの電食による不具合が起きています。
一番多いのはフェンダーミラーの固着。足はアルミかアンチモニ、ミラー部背中はステンレス、間の接続部はステンレスと鉄のお皿が重なり、鉄ねじで中から固定されています。ミラー面の動きが悪いのは電食で鉄が錆びついているから。動きがいいものは好きな角度に向けることができます。
次にデラックスグレードのドア窓下のステンレスモール。ステンレスモールを鉄製のクリップが支えてるのですが、大抵クリップが朽ち果てて、両面テープかビス止めにされていることが多いですね。
あとは、いわゆるブーメランの固定ねじの錆び付き。外したことがある方はわかると思いますが、ねじがなめたり先端の差し込みが激しくきつかったりとなかなか外れませんよね。
今は電食の概念がしっかりしていますので、こんな構造のクルマはないんです。
おクルマを錆びから守るためには一般的なユニクロメッキやクロメートメッキ、三価ホワイトなどのメッキ鉄ねじを使われることをお勧めします。これらの亜鉛メッキは鉄より弱いため、逆にイオン化で鉄を守る役目を持っています。
どうしてもステンレスを使いたい場合は水にぬれない個所にしたほうが無難ですね。