先日スバル360オートクラッチ手動運転車の修理が(やっと)完了し、納車を終えました。お客さま大変お待たせいたしました‥。
初めて触るオートクラッチ車41年式中期38型のオーバーホールが終わる前にいただいた、2発目の44年式後期53型オートクラッチが手動運転車でした。
どちらも3速車です。43年の後期52型以降全車25馬力オーバートップと謳われていますが、オートクラッチのみ3速車です。
てっきり古いミッションを使用しているものだとばかり思っていましたが、今回53型のオートクラッチミッションを見てみますと‥あれ!びっくり!3速なのに4速のミッションケースだ!! (゚д゚)!
ちなみに‥みなさんスバル360のエンジンを外観で3速と4速の見分ける方法知ってますか? 上から見てミッションケース蓋が五角形なのが4速、四角形なのが3速。キャブ側から見てクランクカバーに横にもリブがあるのが4速、縦だけなのが3速。下から覗いて黒い四角いオイルパンがあるのが4速、ないのが3速です。
4速型のケースを持つ、3速オートクラッチ後期ミッション。よく見ると上カバーの4速セレクトプランジャが鉄カバーになってなくてメクラされています。本来オーバートップギヤがある部分にシグナルジェネレータがついています。
で‥
こっちが3速車がレギュラーだったころの3速オートクラッチミッション。シグナルジェネレータの位置は同じ。
52型以降のオートクラッチはわざわざ新作されている3速ミッションケースなのです。なぜそこまで変える!? 富士重工!
ちなみにギヤ比を見ると‥
左〇が旧3速オートクラッチ、右が新3速オートクラッチ車です。ギヤ比はどちらもその時のレギュラーセダンと同じですね。
ちなみに個人的な見解としては旧3速車のほうが2速と3速のギヤ比が近く山道では乗りやすいです。4速車の2速と3速は少し離れていて、2速では吹け切るけど3速では登らないという坂があったりするんです‥。 なのに何故!?
あと、4速車はどうしても構造上ギヤが薄くなり、スムーズなギヤチェンジを可能にするシンクロリングという部品も薄くなりますから、ミッションの耐久性はやや低くギヤ鳴り発生率が高い傾向にあります‥。 なのに何故!?
全車25馬力仕様との兼ね合いかとも思いましたが、20馬力から25馬力への変更点はキャブセッティング・半球型燃焼室シリンダヘッド・ディフューザー型マフラー(20馬力4速車にも装着)くらいのはずだから、旧3速用エンジン・ミッションケースでも対応可能なはずなんですがねぇ‥。
※追記‥ おっと、そう言えば後期オートクラッチ車は分割湯たんぽマフラーが装着されていたんでした‥。ということはやはりマフラーは25馬力化に寄与していないってことですね。
結局はメーカーの意地だったのでしょうか!?
謎です。いやあ、専門店といえどまだまだ知らないことがたくさんありますな。
う~ん深いぜ‥スバル360 💦